ほそ川 (新橋) アラカルトで真っ当な和食を供する良店☆☆
スナックやチェーンの居酒屋が立ち並ぶ新橋の飲み屋街の雑居ビルの5階。
それも一番奥にその店はある。
しかし、訝しがりながらも入り口に立ち、扉を開けると凛とした佇まい。
明らかに周辺のお店とは趣きがが異なる料理店であることを容易に察することができる。
席を占め達筆で書かれたメニューを開けば
ソソる品々ばかりであり
実際に供される料理の水準は期待通りどれも高かった。
特にお浸し、酢味噌、天ぷらは素晴らしく、
高価な食材を使わずとも
確かな技術に基づいて丁寧な調理を施せば
旨いものを作れることを改めて認識させられ
途中から全てを制覇したい欲望に駆られた。
更に着目すべきは
多分に経営側の都合でしかないコース料理だけではなく、
手間暇もコストもかかるアラカルトにも今時対応していることである。
文字通り
鄙にも稀な日本料理店。
日本に関するミシュランはあまり信用していないが(特に和食)
当店の掲載はヒットだろう。
<幸せの一皿>
根三つ葉と油揚げのお浸し
派手な料理ではない。
メニューにあっても食指が動く料理でもない。
しかし、ひとたび口にすれば、しみじみと美味しい♡
上質な出汁を含んだ油揚げは大豆の甘みと調和し、
シャキシャキとした歯ごたえの三つ葉の仄かな苦味が全体を引き締める。
しんみりと
ああ、日本人で良かったあ、
そんな風に思える逸品。
<メニュー>
野菜の煮浸し(お通し)☆
寒い日に上品なお出しを張った温かいお皿がくるとたまらない。
それぞれの野菜も食感をちゃんと残している。
ぶりのお造り☆☆
くど過ぎず、さっぱりし過ぎず、ちょうど良い脂ののり具合。
山葵も質が高く、美味しい。
なめた鰈の炭焼き
火入れが甘く、若干生っぽい部分があったのは残念。。
天ぷら☆☆
山ウド、とらふぐの白子、ふきのとう
衣は薄く、カラッと軽く揚がっている。
うどとふきのとうの苦味も素晴らしい。
酢の物☆☆
赤なまこ酢
中学生の頃、夏目漱石の「吾輩は猫である」の中で
「はじめてなまこを食べた人の勇気や精神力には敬服する」
という記述に激しく同意した。
爾来、十数年以上はその姿を見ることさえ憚られた。
しかし、大人になり中華料理の佳店で乾物を食べて
偏見だったことを知る。
その後幾度となくなまこ酢を食するも
コリコリとした食感以外にその価値を見出すには至らなかったが、
当店で初めてなまこ酢が旨いものであることを知った。
天ぷら 追加☆☆
ワカサギ、ふきのとう、平茸
天ぷらが美味しく追加で!
うん、やっぱり旨い。
ワカサギは苦く平茸からは森のジュースが。。♡
甘鯛の蕪蒸し☆☆
淡雪のような蕪蒸しは
口当たりは優しく、蕪の甘さと、出汁の旨味、上顎でほろりと崩れる鯛の上品さが調和する。
赤貝とあさつきの酢味噌☆☆☆
酢味噌の酸味と甘さのバランスが素晴らしい逸品。
赤貝もシャキッと!
土鍋ごはんと豆腐の味噌汁☆
ご飯が若干柔らかいのが残念。
味噌汁は賽の目に切られた豆腐が美しく普通に美味しい。
鮪の漬け☆
漬け具合は長くも短くもなく真ん中ぐらい!?
漬け丼にすること前提ならばもう少し漬かってもいいかも。。
山わさびと鰹節のご飯☆☆
炊きたてのご飯にその場で擦った山わさびをのせ、
ハラハラと舞う鰹節の様子をうかがいながら
醤油を少しづつ垂らし
かっ込む。
いやー、旨いですっ!
何杯でもいけそう♡
デザート
黒糖のババロア☆☆
プルプル。
粗野な感じがしてもおかしくない黒糖の使用が
ババロアの下に引かれた練乳!?と黒糖本来の甘み、渋み、苦味と
相俟って重層的な美味しさに繋がっている。
美味しい♡
いやあ、良いお店に出会いました!
ほそ川
03-3581-8886
港区新橋2-12-2 hk新橋ビル5F
http://hosokawa-jpr.sakura.ne.jp/index.html
ほそ川さんは下記の通り店舗を移転されました。
ほそ川
03-3267-0031
新宿区神楽坂3-6
https://ameblo.jp/hosokawa-tokyo